歯周病治療

1,歯周病って何?

虫歯(う蝕)は、歯そのものの病気ですが、歯周病は歯を支えている組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質など)が、ばい菌に冒されて壊れていく病気です。

一般には、歯周病は中高年の病気と思われていますが、実状では30代前半で80%の方が発症しており、初期症状においては10代の若年齢層においても50%もの方に見受けられます。

 

 

 

歯周ポケットの模式図
歯周ポケットの模式図

2,歯周病の怖さ

歯周病の進行状況を検査する指標として、"歯周ポケット検査"というものがあります。これは、歯と歯ぐきの間にある溝の深さを測る検査ですが、これがすべての歯に5㎜から6㎜以上ある、中等度から重度の歯周病にかかっている人の歯周ポケット上皮の表面積は、72平方センチメートル、おおよそ手のひらと同じぐらいになるといわれています。それだけの面積の炎症が口の中に存在し、粘膜の表面に潰瘍を作り、膿を排出し、しかもその表面にはばい菌がびっしりと付いています。(歯周ポケットに存在する歯垢1㎎中には1000万から1億ものばい菌が存在している。ばい菌の密度は実にウンコの10倍)この状態が長く続くと、ばい菌の出す毒素や、ばい菌そのものが体の中に入って、色々な病気を引き起こすことは想像できると思います。

現在は、糖尿病 脳梗塞 心筋梗塞 未熟低体重児出産 関節炎 呼吸器系疾患(誤嚥性肺炎)など、歯周病と密接に関係していることがわかってきました、どれも命を脅かす重篤な疾患です。