矯正治療というと、一般的には審美性の改善(歯並びを治して、見た目を綺麗にしたい)が目的と考える人がほとんどだと思います。
確かに矯正治療して歯並びがよくなると、口元は綺麗になります。しかしそれ以外にもいいことがたくさんあります。
きちんと歯が並んで、全体的にしっかり咬合できるようになります。また奥歯と前歯のバランスが合うと、歯に無理な力がかからなくなり、歯が長持ちします。
歯並びが悪いと、歯の重なり合った部分に食べ物が詰まったり、歯磨きしても歯ブラシが届かずになかなか綺麗になりません。そのため、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。歯並びがよくなると、ずっと歯磨きがしやすくなります。
歯並びが悪いと、歯の頭の部分だけではなく、歯の根(歯根)の部分の並びもよくありません。歯根が近接してしまうと、その分歯を支えている骨が薄くなります。薄くなると、少しのばい菌感染で骨が溶けてきたり、また汚れ(歯石)が付いても、タイルのねじのように、非常に汚れが取りにくくなります。
歯並びがよくなると、歯の周りにしっかりとした厚い骨が取り巻いてくれるので、ばい菌に対する抵抗力が上がります。
これらのことを踏まえ、高齢で歯のたくさん残っている方のお口の中を拝見すると、ほとんどの方が綺麗な歯並びをされています。
2000年文京区 2001年千葉県で8020運動達成者(80歳で20本以上歯が残っている人)を対象に歯並びの検査を行ったところ、ほとんどの方が、正常な歯並びをされていたそうです。 http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/98/1/107_303.pdf
いかに歯並びと歯の健康が密接に関係しているかわかると思います。
上顎の歯並びが悪く、上の歯が、下の歯並びにはまり込んでいる状態です。
上顎は、歯並びを側方に拡大して、整えていきます。
また下顎は、リップバンパーと呼ばれる、唇の圧力を使う装置で、機能的に奥歯を整直していき、下の前歯を内側に引っ込めます。
リップバンパーによって、奥歯が整直したため、前歯にスペースが出来ました。
このスペースを利用して、かみ合わせを修正していきます。
術後の口腔内所見です。
歯並びが、綺麗に改善されています。
上顎の歯が、全体的に歯並びが乱れていて、上の前歯が前方に出ている状態です。
上顎は、小臼歯と呼ばれる、糸切り歯の一本奥の歯を、左右1本ずつ計二本抜歯して治療してきます。
下顎は、抜歯をせず並べていきます。
矯正治療終了時の写真です。
かみ合わせも安定しています。
また、下顎は抜歯していないので、全体的に歯並びのアーチが広く、舌が収まるスペースが確保されています。